第16回(2023年・北京OL)
開催報告
第16回日中省エネルギー・環境総合フォーラムが2023年2月11日に開催されました。今回も日中双方に会場を設置してオンラインで接続し、日本側からは西村康稔経済産業大臣、宗岡正二日中経済協会会長、そして保坂伸資源エネルギー庁長官、中国側からは何立峰国家発展改革委員会主任、李飛商務部部長助理、趙辰昕国家発展改革委員会副主任をはじめとする約870名の日中両国の官民関係者が参加しました。
全体会議は日本側から西村大臣及び宗岡会長、中国側から何主任及び李部長助理がそれぞれ開幕挨拶を行い、それに続いて前半司会の趙副主任が17件の新規プロジェクトを読み上げました。これはコロナ禍で披露された件数で最多であり、第1回から披露されたプロジェクトは累計430件となりました。
後半部分では、中国国家能源集団有限責任公司、株式会社三菱UFJ銀行、中国節能環保集団有限公司、アズビル株式会社が両国企業を代表して自社の省エネ・環境分野における取り組みを紹介しました。
午後はエネルギー効率の向上(省エネ)、自動車の電動化・スマート化、水素、日中長期貿易(水環境対応と汚泥処理)の4分科会が開催され、引き続き日中両会場をオンラインで繋ぎ、プレゼンテーションや質疑応答など、活発な交流が行われました。
議事次第
1. 主催:
日本側 経済産業省、一般財団法人日中経済協会
中国側 国家発展改革委員会、商務部
中国側 国家発展改革委員会、商務部
2. 日程:
2023年2月11日(土)
2023年2月11日(土)
3. 会場:東京と北京双方に会場を設置し、オンラインで接続
日本側 ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区芝公園4-8-1)
中国側 全体会議:国家発展改革委員会、分科会:国賓酒店
日本側 ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区芝公園4-8-1)
中国側 全体会議:国家発展改革委員会、分科会:国賓酒店
4. 規模:
約870名の日中両国の官民関係者が参加
約870名の日中両国の官民関係者が参加
5. プログラム: ※時間は日本時間
(司会進行:国家発展改革委員会 趙辰昕 副主任)
10:30~11:10 開会挨拶(各 10 分)
【中国】何立峰 国家発展改革委員会主任
【日本】西村康稔 経済産業大臣
【中国】李飛 商務部部長助理
【日本】宗岡正二 日中経済協会会長
11:10~11:30 日中調印プロジェクト文書紹介(趙副主任による読み上げ)
11:40~12:20 日中企業代表講演(各 10 分)
11:30~11:40 休憩
(司会進行:国家発展改革委員会 劉徳春 資源節約環境保護司司長)
【中国】劉国躍 中国国家能源投資集団有限責任公司 党組書記、董事長
【日本】大和健一 株式会社三菱UFJ銀行 取締役常務執行役員
【中国】宋鑫 中国節能環保集団有限公司 党委書記、董事長
【日本】伊東忠義 アズビル株式会社 執行役員常務
12:20 閉会
14:30~17:30頃 4分科会(講演資料)
3. 水素分科会
全体会議:開幕挨拶
何立峰 国家発展改革委員会主任
昨年、習近平国家主席と岸田文雄首相が環境・省エネを含むグリーン経済における協力の後押しで共通認識に達したが、本フォーラムはこの共通認識を実行に移すものである。今回、中日両国は困難を乗り越えて第16回の開催に至ったが、これはグリーン発展に向けた強い決意及び省エネ・環境分野における中日協力の新しい未来に対する意志の表れである。
今後は日本側とともに、グリーン・低炭素産業における実務協力、技術協力、政策対話、そして人文交流を引き続き強化していきたい。
西村康稔 経済産業大臣
李飛 商務部部長助理
気候変動問題は人類全体が直面する共通の課題であり、持続可能な発展はすでに国際社会の共通認識となっている。その中で中国はグリーン・低炭素の発展の道を堅持しており、商務部は制度開放の推進、企業によるグリーン投資の支援、高い水準で開放の場を建設、グリーンな需要と供給のマッチングなどの取り組みなどを展開した。
両国のグリーン・低炭素における協力をさらに推進し、中日の経済貿易の健全な発展のために、私からは政策対話の強化、グリーンイノベーションの深化、グリーン発展に資するデジタル経済の強化、第三国市場における協力の推進を提案したい。
宗岡正二 日中経済協会会長
2020年の本フォーラムで日中両国政府が合意した「脱炭素化実現に向けた日中政策対話」は国際協調の雰囲気が勢いを無くし、資源・エネルギーを取り巻く状況も不透明感を増す中でも重ねられている。温室効果ガス削減に関する両国の前向きな取り組みが、世界に大きなインパクトを与えることができれば素晴らしいことである。
今回の分科会において、テーマとして取り上げる水素については、地球温暖化の危機を回避するゲームチェンジャーとして注目を集める分野である。両国の協力のもと、クリーンな水素の製造開発や効率的な利用手段の構築が進展することを通じ、日中両国の利益のみならず、地球規模の貢献につながっていくことを期待したい。
全体会議:企業代表講演
劉国躍 中国国家能源投資集団有限責任公司 党組書記、董事長
当社は石炭を主要な資源とする国情に立脚して、エネルギー安全保障、生態環境の優先、グリーン・低炭素を両立した質の高い発展を推進している。具体的には、石炭火力発電の省エネ及び炭素排出削減の水準を絶えず向上させ、石炭液化油分野・石炭化学工業分野のハイエンド化、多様化、低炭素化による発展を通じた技術を持つ。
また、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー分野で大規模なプロジェクトを展開するほか、水素分野でも連盟設立や評価基準策定など多方面で取り組みを推進している。さらに炭素排出削減や脱炭素技術におけるイノベーションを通じて、産業のモデル転換・高度化を後押ししている。
大和健一 株式会社三菱UFJ銀行 取締役常務執行役員
MUFGバンク(中国)は、MUFGとの緊密な連携のもと、中国での脱炭素社会の実現に向けた体制を構築し、グリーンファイナンス分野での実績を積み上げてきた。こうしたファイナンス面からの支援のほか、中国政府の政策に基づきカーボンニュートラルの実現に向け活動されているお客様に対し、政策動向に関する情報を提供するアドバイザリーサービスにも注力している。
これらのニーズに的確にお応えするため、本フォーラムで発表した「中国におけるカーボンニュートラルの促進に関する業務協力協定」を国家級経済技術開発区グリーン発展連盟と締結し、お客さまの投資・研究開発の支援をより一層拡充してゆく。
宋鑫 中国節能環保集団有限公司 党委書記、董事長
中国は2020年に「ダブルカーボン目標」を国内外に打ち出した。そこで、当社では省エネ、炭素排出削減、そして環境保護を主とする業務を展開しており、各種プロジェクトを展開している。また、その過程で中央政府機関、地方政府、産業園区、そして企業との連携を強化している。
具体例としては、ダブルカーボン目標実現に向けた事業部や研究院などを新たに設立する体制構築、自社独自の行動目標策定、そして「グリーン電力倍増プロジェクト」「グリーン・低炭素な科学技術のイノベーションに関するモデルプロジェクト」などの取り組み推進などが挙げられる。
伊東忠義 アズビル株式会社 執行役員常務
当社は「人を中心としたオートメーション」のグループ理念のもと、「環境・エネルギー」「新オートメーション」「サプライチェーン」「健康経営」の4つの分野でSDGsの目標を設定し、計測と制御の技術で人や社会の安心、快適、達成感の実現と共に、社員一人ひとりの行動、経営戦略の実行までを「直列」とし、継続的に社会課題を解決することにより、持続的な成長を目指している。
「環境・エネルギー」の分野では2030年度340万トンのCO2削減効果と、自らの事業活動に伴う温室効果ガス排出削減目標を2017年基準で55%削減する目標を設定し、カーボンニュートラルの実現とGX推進に取組んでいる。
主催者ニュースリリース及び報道各社による報道
関連資料
議事次第 (2023-02-11 ・ 371KB) |
調印プロジェクト一覧(計17件) (2023-02-11 ・ 121KB) |
問い合わせ
日中経済協会業務部
日中省エネルギー・環境ビジネス推進協議会(JC-BASE)事務局
電話:03-5545-3115 (担当:山田・上原)
全体総括責任者:伊藤
分科会関連
- エネルギー効率の向上(省エネ):澤津
- 自動車の電動化・スマート化:平槇
- 水素:蝦名(えびな)
- 日中長期貿易(水環境対応と汚泥処理):藏田