重慶市におけるLED産業の概況
現在、重慶市では「五つの重慶」(※5つとは、「森林重慶」「暢通重慶」「宜居重慶」「平安重慶」「健康重慶」)を進めており、その計画目標を達成すべく、各分野で様々な試みが進められている。
その中で、「宜居重慶」である、住環境の改善においては、様々な照明を主にLEDに切り替えることも含まれている。例えば、街頭照明や家庭の照明等の一般的な照明のほか、パソコンディスプレイのバックライトや医療機器、自動車などへの利用が挙げられている。特に、重慶市における自動車生産高は年々増加しており、本年は200万台を超える見込みで、重慶市に隣接する四川省、貴州省、湖北省、湖南省を含めて、年間400万台の自動車市場が見込めることから、自動車のLED照明の市場は大変大きいものと位置づけられている。
◆重慶市にLED生産基地を設立する理由
①中国の地理的中心で、予定されている高速鉄道が完成すれば、陸路でほぼすべての地域に10時間以内でつながる。また、空路では、日本、東南アジア、インドともほぼ等距離の3時間程度の範囲にある。更に、長江の水運が利用できる点は、成都等の他都市では真似のできない特色であり、大量の製品の輸出入が水運の利用によって可能となっている。
②西永・両路寸灘の二つの保税(港)区を持ち(LED園区は、北部新区に所在)、基盤作成に必要なサファイアの輸入にも手間がかからない(国内産のサファイア基盤もあるが、質の点から現在は輸入品が主)。
◆LED産業のどういった分野に日本企業が期待されているか
◎LED産業の連関としては、以下の通り。
(川上)基盤→外延チップ→LEDチップ→パッケージング→応用製品(川下)
川下産業のパッケージングと応用製品分野では既に多くの企業が参入している。
また、サファイア基盤についても2008年に重慶市の「四聯集団」がハニーウェルのカナダ工場を買い取っており、安定した供給を受けられる。
ただ、外延チップ及びLEDチップのサプライヤーが不十分であり、日本企業の参入を歓迎している。
◆LED産業が重慶市に進出した場合の優遇措置(例)
①西部開発政策に基づき企業所得税15%、先端技術産業であれば10%(2020年まで)
②認可を受ければ営業税が免除
③関税と輸入増値税が免除、三峡ダム地区であれば更に免税を受けられる。
④土地使用料の減免
⑤銀行からの人民元融資
◆労働者の賃金面
沿海地域と比べるとまだかなり低く、重慶市政府が掲げる「加工貿易の拠点としての重慶」を推進する原動力の一つとなっている。
◆重慶市対外貿易経済委員会から提供されたLED産業投資概況
2010重慶市LED産業投資案内 ( 2578KB) |
2010重慶市LED産業投資案内 ( 1300KB) |