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【参加報告】海南自由貿易港政策説明会

参加報告

2022/12/01 Upd.
 
「海南自由貿易港政策とビジネスチャンスに関する説明会」
12月6日(火)・東京、12月8日(木)・大阪
 
 去る11月29日、海南国際経済発展局・宮起君副局長一行が日中経済協会を訪れ、標記説明会に招かれました。
 
 ご案内の通り、海南自由貿易港は、2年前のマスタープランの発表から税制面などで内外から非常に注目を集めており、今後の発展が見込まれている地域の一つです。以下に、訪日団団長の宮起君副局長による主催者挨拶のポイントならびに投資促進一部・高潔次長の基調講演内容を紹介させていただきます。説明会ではエキスポ・コラボレーション部・馬珞斯係長からも、中国国際消費財博覧会の紹介がありました。「今、海南省で何が起こっているのか?」を考察いただき、海南省をご理解いただく一助としていただければ幸いです。
 
 なお、日中経済協会は後援機関として、東京開催では髙見澤学理事が、大阪開催で関西本部・今村健二事務局長がそれぞれ開会挨拶役を務めさせていただきました。

【主催者挨拶】海南国際経済発展局・宮起君副局長

●我々主催者である海南国際経済発展局は、海南省からコロナ後最初の代表団として訪日。
●主な目的は、中国がこれまでに開発したことのない自由貿易特区である「海南自由貿易港(自貿港)」を日本経済界に紹介し、その魅力や機能を直接共有すること
●本日の機会を利用して、日本企業が海南自貿港で新たなビジネスチャンスを探索する皆様を我々が支援できることを願う。皆様に役立つ政策を紹介し、その効果を共有したい。
●現在、中国は海南自貿港の建設を加速し、より開かれたビジネス社会を創出。すなわち、「関税・税率・税制」において、これまでに中国他都市にない特徴を持つ。特に観光、サービス業、IT、ハイテクなどの産業に重点を置き、矢継ぎ早に優遇政策を導入。
●一方、日本は、新エネルギー開発、医療、製造、金融、物流、介護などに優位性を有し、中日国交正常化50周年を機に、友好関係の深化と、経済貿易協力の強化に期待。
●11月17日、習近平国家主席はバンコクで日本の岸田文雄首相と会談。双方は、ハイレベルの対話維持、政治的相互信頼強化、実際的協力促し、人的・文化的交流拡大、国際・地域問題の協力強化、新時代の要請への対応、安定的かつ建設的な中日関係構築で一致。
●日本と中国はRCEPの重要加盟国であり、海南自貿港の優遇政策とRCEPの相乗効果は、両国間の経済協力に無限の発展性と将来性を約束するものと確信。
●本日、オン・オンラインで参加する日本企業の皆様が、海南自由貿易港で新たなチャンスを共益し、会議の円満な成功を祈念。

【基調講演】海南国際経済発展局投資促進一部・高潔次長

海南自由貿易港のビジネスチャンスについて紹介したい。海南省の位置は中国最南端。中国大陸と東南アジアエリアの結節点の役割を果たし、アジアのハワイとも称される観光名所として知られるが、実はここ数年の経済発展も速い。
海南自由貿易港(海南自貿港)は、習近平国家主席自らが進める重要な国家戦略。2020年6月1日、「海南自由貿易港建設マスタープラン」が正式に発表。
今年4月、習主席が海南を視察した際、「海南が新時代の中国改革開放モデルにならなければ」と指示。
海南自貿港は、3段階に分けて建設。2025年までに貿易と投資の自由化を実現。2035年には、貿易投資のみならず、クロスボーダー資金の流動、人員の出入り、貨物の輸送、データの安全な流動などを実現。2050年には、現在の香港、シンガポールと同様、高い影響力のある自由貿易港を建設していく。
海南自貿港と中国その他の21自貿港との相違は、法規的バックアップがあるということ。昨年6月10日、「中華人民共和国海南自由貿易港法」が正式に全人代で批准。香港、マカオの基本法のようなものと理解してよい。海南は立法権を持つようになった。グローバル投資企業に長期的、安定的な法律面の保障をサポート。
海南自貿港は2年間の建設を経て、昨年海南省の経済KPI成長率は、全国のトップレベルに。GDP成長率は全国の8.1%に対して海南省は11.2%と、全国で2位の成長率(1位は河北省)。新規外国企業の資本金規模が35.2億ドルに達し、全国10位に(四川省を超えて現在福建省に迫る水準)。
海南自貿港政策の特別性について。
税務政策から紹介したい。
まずはゼロ関税。実は2025年以降、現在の香港同様、ほぼ全ての貨物が関税フリーで出入りできる免税島となる。その前段階は一部輸入品、原材料、設備、交通機関、ヨット、消費財などに対して、ネガティブリストとポジティブリストを取り決めて、ゼロ関税政策を遂行。また、加工増値政策という有力な政策は、香港の原産地政策と似たもので、商品の加工を海南で行い、その付加価値が30%以上つけば、中国大陸への販売に際しての輸入関税が免税となる。更に海外投資による収益は、法人税が免除となる。これは多くの中国企業に歓迎されている政策。法人税、個人所得税の両方を15%の低税率に設定。これら香港は16.5%、シンガポールは17%であり、海南が最低水準である。中国大陸と比べても法人税は海南の方が最大10%低く、個人所得税は最大30%低くなる。簡略税制について、現在中国では18税種が施行されているが、海南では2025年以降、増値税、車両購入税らの間接税を統廃合し、商品の小売りの段階での販売税を施行することになる。この販売税は日本の消費税に相当するもので、消費者側が負担することになる。
離島免税政策。2020年7月から、1人当たり免税水準が、3万元から10万元に引き上げられ、免税品目が45種類まで拡大された。その結果、去年1年間でトラベルリテールの売上は600億元を超え、目標としては2025年に2000億元の売上を目指す。2000億元という水準は、コロナ前の韓国のトラベルリテール市場に相当。すなわち、海南省は世界最大のトラベルリテール市場に成長するということ。
海南では様々な開放制度を実施している。
海南の銀行の真実性審査は、事前から事後審査に変わった。外国企業が海南省でビジネス活動をする際に海外送金の必要があるが、海南省で生産を行う場合は、複雑な手続きをしなくても、より早く、より簡単に海外送金が行える。投資面について、実は外国企業が中国で投資活動を行う際、投資可否の範囲があり、それを決めるのは外商投資承認特別管理措置(ネガティブリスト)であるが、実はリストは中国版と自由貿易区、自由貿易港と3つのバージョンが存在し、海南自貿港のネガティブリストが項目が最も少なく、海南で投資活動を行う際のハードルを低減している。越境資金の流動について、現在海南省では上海と同様自由貿易口座システムを構築。企業にとっては、オンショアとオフショアの為替での両替を自由に選択可能。また、ハイレベルな外貨管理改革を行っており、海南省内企業が海外融資をする際は、中国大陸でよりもやりやすくなる。
人的往来について。海南省では現在59カ国に対しノービザ政策を実施中。ノービザでの滞在期間中に直接就労ビザへの切り替えも可能。外国人労働許可についてもネガティブリスト管理を行っており、例えば日本の弁護士が日本のライセンスを以て直接海南省での就業が可能。貨物について、この2年間、海南省は力を入れてインフラ建設を行っており、空港は海口市、三亜市、ボアオと3つが所在するほか、東方市では貨物メインの空港を建設中。海南発着のフライトや船は保税燃料を給油でき、物流コストも低減。安全なデータ伝送について、海南には11の重点産業園があり、うち9産業園ではVPN無しでも海外のネットに接続が可能。
海南でのビジネスチャンス。
4つのメイン産業の振興を強化。すなわち、観光、サービス業、ハイテク、熱帯農業。
 
観光はもともと海南省の強みであり、去年はコロナの影響を受けていても1年間で8000万人の観光客を迎えた。トラベルリテール市場が成長中であり、外国の不動産会社、スワイヤーグループ、ジャーディン・マセソンなどが三亜市でトラベルリテールに関する免税ショッピングモールを建設中。
サービス業については、中国中央・民間企業でよく利用されている政策であるが、国際貿易会社を設立して生産を行ったり、投資会社を設立して海外の固定資産投資を行ったりしている。外資企業も法人税15%という低税率なので、スワイヤーグループや元々中国の会社で海外上場した京東や華潤グループなども海南に投資会社を設立し、国内の新しいプロジェクト、子会社の株式投資を行っている。現在、ほぼ全てのキャピタル会社が海南省でQFLP、QDLPのプロジェクトを行う。
デジタル経済について。中国企業が多いが、テンセント、百度、Tiktokなどが海南省で越境EC、ライブ配信を行ったり、投資会社を設立して国内子会社の株式投資を行っている。現代物流については、京東、Cainiao、日本通運などが保税倉庫やスマート物流園、グローバルサプライチェーンの構築などを積極的に推進中。
 
ハイテク産業について。海南省はクリーンエネルギーのリソースが豊富であり、中央企業の華能、SPIC、そして国際的に著名なシェル、BPなどがクリーンエネルギー、発電プロジェクトを実施中。現代医療について、海南省にはボアオ楽城という特別サイトがあり、日米欧FDAの認可を取得した医薬や医療機器を同時に使うことができる。ここで収集されたデータが実社会データとして、今度はCFDAの認可を申請する際の審査スピードがアップする。製造業について、海南省は島なので物流コストがかかる。加工増値政策を活用して、原材料の中で関税がとても高い商品にフィットすると思われる。
熱帯農業について。現在、独KWS、米コルテバ・アグリサイエンスが三亜市で農業、化学品貿易会社やR&Dセンターを建設中。
海南省には11重点産業園があり、今回訪日代表団には海口市と三亜市の投資促進局も同行しているので、簡単に紹介したい。海口市は、海南省の省都であり、面積はシンガポールの3倍、人口はシンガポールの1/2でまだまだ発展の余地は大きい。海口市には4つの産業園があり、まず総合保税区にはトラベルリテールの会社が入居。全国で免税ライセンスを有する会社や贅沢品ブランドなどがこの保税区で保税倉庫を有する。海口江東新区は、上海の浦東新区を目指し、海口市の最先端エリアとして開発が進む。国家ハイテク区については、日本のロート製薬やHiranoが海口市に工場を建設。海口復興城インターネット産業園はTMT関係の会社が集まっている。三亜市はまさにアジアのハワイとして観光名所。年間平均宿泊客数は2100万人超、観光収入は海南省の半分以上を占める。三亜市はここ何年間で本部が集まる三亜中央ビジネスエリアに、キャピタル企業が出揃う。三亜崖州湾科学技術城には、熱帯農業の会社が集中している産業園。
最後に協力希望について。
今年の7月の第2回中国国際消費財博覧会の開催に際し、「日本企業サービスセンター」が海南国際経済発展局により設立された。日本企業に政策的問い合わせ、戦略発展コンサルティング、会社設立などワンストップサービスを提供している。
日本企業が上海と北京に集中していることに鑑み、海南省にも日本企業ビルをつくった。日本企業のみに賃料の優遇や税金奨励などを海口市政府から出してもらった。
日本企業による投資活動の支援を精一杯したい。
質問など気軽に問い合わせいただきたい。

関係資料のダウンロード

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(34.5MB)

↑ 海南進出日本企業、消費博覧会などの情報が含まれます。

写真で振り返る海南自由貿易港政策説明会

質疑応答に対応する海南国際経済発展局の実務担当者ら
日系進出企業を代表してNX国際物流中国様が登壇
東京会場では100名以上が参加。ライブ配信も。
大阪会場も盛況。当協会関西本部今村事務局長の挨拶。

 
 
2022/12/8 終了しました
 
 海南国際経済発展局は、日本で初めて日本のビジネス界に向けて海南自由貿易港(区)における最新かつ詳細な政策情報となる「海南自由貿易港政策とビジネスチャンスに関する説明会」を開催いたします。

 説明会では、海南国際経済発展局(IEDB)が日本の企業や自治体が、海南自由貿易港(区)におけるビジネス展開を模索することを支援し、中国国際消費財博覧会のプラットフォームを使用することで、より多くのビジネスチャンスが生まれることを支える展開をご説明いたします。

 過去2年間、海南自由貿易港(区)は様々な優遇政策を次々と導入し、グローバル企業に対し相互利益とウィンウィンの成果をもたらす実用的なプラットフォームを構築し、無限のビジネスチャンスを提供してまいりました。特に、 今年は日中の「国交正常化」から50周年を迎え、両国の友好関係は一層深まり、経済・貿易協力におきましても一層の進展を続けていくことになります。

 海南自由貿易港における日本企業の発展におけるビジネスチャンスについて議論・共有するためにも、一人でも多くの皆様のご参加を心から願っております。
 
海南国際経済発展局
副局長 宮起君

東京開催

■日時:2022年12月6日(火) 13:30~16:00 ※12:30開場
 
■会場:野村コンファレンスプラザ日本橋(5F受付)
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2丁目4番3号
YUITO 日本橋室町野村ビル5F・6F
TEL:03-3277-0888
 
<アクセス>
・東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前」駅(A9出口)徒歩1分
・JR総武本線「新日本橋」駅 徒歩3分
・東京メトロ銀座線・東西線「日本橋」駅(B12出口)徒歩7分
・JR各線「神田」駅(南口)徒歩7分
・JR各線「東京」駅(日本橋口)徒歩10分

大阪開催

■日時:2022年12月8日(木) 13:30~16:00 ※12:30開場
 
■会場:アプローズタワー13階貸会議室
〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町19-19
TEL:06-6372-1489

<アクセス>
・JR大阪駅御堂筋南口から徒歩約10分
・阪急大阪梅田駅茶屋町口から徒歩約6分
・大阪メトロ御堂筋線中津駅4号出口から徒歩約5分
 

開催概要

主催・後援

主催:海南国際経済発展局
 海南省海口市国興大道5号 海南大厦付属ビル 4階
 TEL:0898-6653-9037
 E-mail:lokcee[at]investhainan.cn  ※[at]は@に変換ください。
 海南国際経済発展局 http://www.investhainan.cn/cn/
 中国国際消費財博覧会 https://www.hainanexpo.org.cn/
 
後援:中国駐日本国大使館経済商務処 ※東京開催
   中国駐大阪総領事館 ※大阪開催
   一般財団法人日中経済協会
   ジェトロ広州事務所

次第(予定)

1) 海南国際経済発展局挨拶(5分)
2) 日中経済協会挨拶(5分)
3) 海南自由貿易港政策の説明1(30分)
4) 休憩(5分)
5) 海南自由貿易港政策の説明2(30分)
6) 企業代表発言(10分)
7) 質疑応答/個別相談会(30分)

出席者

宮起君 海南国際経済発展局副局長
高 潔 海南国際経済発展局投資促進一部次長
馬珞斯 海南国際経済発展局エキスポ・コラボレーション部係長
曹 陽 海口国際投資促進局投資促進三部長
孫亜坤 三亜市投資促進局国際運営部主任

申し込み・お問い合わせ

12月5日(月) 16:00までに、下記の情報をメールかFAXにてご送付ください。
 
◎海南国際経済発展局「海南自由貿易港政策」説明会事務局(担当:筒井 様)宛て
 
  E-mail:tsutsui[at]kskks.co.jp ※[at]は@に変換ください。
  FAX:03-6659-6382
 
 
 (1) 参加地:(  )東京・(  )大阪・(  )オンライン
 (2) 企業・団体名:
 (3) 部署・役職:
 (4) ご芳名:
 (5) 電話:
 (6) E-mail:
 
 ※以下のPDF案内状に付属の申し込み書をご利用いただいても構いません。
 
 
◎説明会に関するお問い合わせは、以下の連絡先にご連絡ください。
 TEL:03-6659-6381(担当:筒井 様)
 
◎あるいは、日中経済協会業務部(担当:澤津、TEL:03-5545-3113、naoya.sawazu[at]jc-web.or.jp ※[at]は@に変換ください)宛てにもご遠慮なくお問い合わせください。

案内状・申し込み書のダウンロード

東京会場案内状

(2022-12-01 ・ 619KB)

大阪会場案内状

(2022-12-01 ・ 800KB)

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