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【参加報告】浙江台州-日本投資協力交流会

参加報告

2023/4/13 Upd.
 
今般、浙江省台州市党委・李躍旗書記一行が訪日し、4月12日、都内にて「浙江・台州−日本投資協力交流会」が開催されました。日中経済協会は、在日華人汽車工程師協会からの招請により業務部が出席しました。
 
冒頭、李躍旗書記より、台州市が現在、デジタルエコノミー発展に注力し、グリーン電力が多く完備されていること、自動車、精密機器、医薬品を中心とした製造業が活況であることが紹介されたほか、日本とは唐の時代から文化的、経済的にも関係が深いことから、本交流会を契機に、共に美しい未来を実現していきたいとの挨拶がありました。
続いて、台州市内の椒江区、温嶺市、仙居県などの、区県の代表者から地域概要や特色となる産業についてプレゼンテーションが行われました。
 
また、後半の台州市代表団との交流セッションでは、日本企業から、台州の多国間交流についての考え方や、台州の産業パークにおけるグリーン電力の今後の使用見通し、台州として特に誘致したい産業や誘致後の優遇政策などについて熱心な質問があり、李躍旗書記ほか責任者から直接回答がありました。
 
日中経済協会といたしましても、台州市の対日経済交流ニーズに応えるべく、関連資料を掲示いたしますので、賛助会員企業におかれましては中国ビジネスの参考としていただければ幸いです。
 
Keywords:自動車、精密機器、医薬・ヘルスケア
 

台州市党委・李躍旗書記 発言概要

  • 台州は中国東部の黄金海岸線と呼ばれる場所の中心地に所在。浙江省で見ると丁度南北の中心、そして海と陸地の境目。長江デルタには、世界レベルの都市群があり、台州はその27のうちの都市の1つ。上海まで370km、ちなみに東京までは1,800km。台州は山も海にも恵まれ、製造業の都と称される。
  • 台州は想像力と活力に溢れ、中国の民間経済や株式合作経済の発祥の地、そして市場経済のトップランナー。ここでは、民間経済の創造力、イノベーション力に溢れている。改革開放以降、台州では中国最初の民間自動車企業や民間資本が支配権を持つ高速鉄道などが誕生。そして、中国唯一の零細企業向け金融サービスイノベーションパイロット事業が展開されており、中国イノベーション型都市科学技術革新パイロット都市にも選出されている。現在、台州はデジタルエコノミーの発展プロジェクトで、イノベーション力の向上を目指し、ビジネス環境の改善などの改革プロジェクトに取り組んでおり、また浙江省出身の企業家ネットワークを利用したプロジェクトを通じて、対外開放、国内向けの開放をさらに促している。こうした戦略を以て、民間経済の構造や形態を変え、新たな流れを作りたい。
  • 日本企業にはイノベーションの遺伝子、そして匠の精神に溢れており、台州の企業もこれを学び、相互互恵を実現したい。台州は中国で製造業のカテゴリーが最も多い都市の一つ。100億ドルレベルの産業クラスターは27、国家レベルの産業基地が68、中国の41の業種のうちの台州には35業種が存在する。307の製品の市場シェアが世界トップとなっている。
  • 台州は、世界の一流、国内トップを目標に、海岸線に沿って北から南へと新エネルギー、新素材、ヘルスケア、自動車、精密製造の5つの産業パークを形成している。中でも台州の医薬業界には、中国の医薬トップ100企業のうち19の上場企業が進出し、世界の企業がここで原薬を調達している。医薬品製造能力は全国トップクラス。医薬の産業パークに合わせて世界レベルの医薬製造センターを作ろうとしている。
  • 自動車業界は吉利、ボルボを代表とする完成車ブランドがあり、また6,000以上の自動車部品メーカーの裾野がひろがる。業界の総売上は1,500億元超。今後、未来の自動車の建設に合わせてよりハイエンドな産業チェーン全体を兼ね備えた、さらにスマートで低炭素型の自動車産業基地を作りたい。これらは台州と日本の産業協力の基礎ともなっていまる。アイシン精機、トヨタなど、日本の著名な企業は長年台州へ投資している。第一三共、大塚製薬などの世界的な製薬メーカーは、台州企業と緊密なパートナーシップを締結している。また、台州で製造されたスマートトイレやプラスチック製品が日本で販売されている。日本企業がこれからもハイエンド製造、AI、バイオ医薬分野などで、台州企業とのマッチングを行い、広く、深く協力を行ってほしい。
  • 台州は中国の対外開放の先端に立つ街。世界の215の国・地域と貿易関係にあり、対外貿易依存度が750%以上。台州はRCEPハイレベル開放協力模範区の申請を通過しており、現在、こうした制度の下で国家レベルの経済技術開発区、相互保税区、越境Eコマース、総合試験区、浙江省自由貿易試験区、台州電動イノベーションエリアなど、ハイレベルなプラットフォームを使い、双循環のハブとすることを目指している。
  • 日本は台州の重要なパートナーであり続けてきた。日本政府や企業とこれからも全面的な交流を深めていきたい。今年3月には日本との直行便、RCEP航路が開通されこれを利用し、ヒト・モノ・サービスの往来をさらに強め、共にRCEPの輪を広げていければと期待。
  • 台州は中国でグリーン電力の品種が最も完備された都市の一つ。クリーンエネルギーとしては、風力、太陽光、火力、原子力などもあり、さらに貯蔵施設も管理。年間の活動量は約250億ドルあり、今後台州では、原子力発電の設備容量500万kWを計画しており、洋上風力は245万kWを予定。干潟のメガソーラーの面積が3万ムー、設備容量260万kWを予定している。これらは国際企業のゼロカーボン型の産業パークの建設に依存することができるだろう。また産業支援により低炭素化へのシフトを促し、さらに新エネルギー車やバイオ医薬などグリーン産業の発展を促していきたい。日本企業は環境保護、クリーンエネルギーにおいて、多くの優れた技術とノウハウを有する。ぜひ両者が技術と支援、そして市場の強みを互いに補い合う事で、炭素の競争力を高め、カーボンニュートラルやカーボンピークアウトを実現したい。
  • 台州は中国で最も幸福感の高い都市の一つ。中国で最も幸福な都市に7回も選出されている。幸福感の理由は、住みよい街、そして大気質、美しい環境にある。台州は、唐代には李白など400人以上の詩人が訪れている。また、この幸福感は文化の蓄積にも由来しており、仏教や道教の聖地もある。そして、和合文化グローバルフォーラムが台州で開催されている。仏教の天台宗や道教などが台州の発祥の地とされている。
  • 日本も美しく幸福な国。唐代は鑑真が日本に渡り、そして日本では最澄が台州にやって来た。両地域の縁はその時から。台州の国清寺は日本の天台宗の先祖と尊ばれており、そして初の台州の和合文化海外ステーションが東京にある。両地域の観光往来も多く、台州市民は日本への観光が大好きである。もちろん台州に来る日本の観光客も増えている。
  • 本日私たちは期待と誠意を以って東京にやって来た。千年の友情の伝統があり、協力の新しいステージの幕開けでもある。本日の投資協力交流会をきっかけに、新たな発展チャンスを共有し、台州と日本の各方面の交流を深め、共にWin-Winな美しい未来を実現したい。そして、是非台州を訪れていただき、台州の製造業の実力、発展力を実感し、台州という街の魅力を感じ取ってほしい。

本件お問い合わせ先

日中経済協会(担当:平槇・澤津)
TEL: 03-5545-3113
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