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一般財団法人日中経済協会
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【開催報告】北京市投資環境説明会

開催報告

2023/06/21 Upd.
 先月本ページにてご案内した標記説明会が6月20日に予定通り開催され、当協会は北京市投資促進服務中心とと もに本説明会を共催しました。最終的には定員を上回る申込をいただき、ご参加いただいた皆様には心より御礼申し上げます。
 中国側からはまず同中心の蘇宏(そ・こう)副主任が北京市全体の投資環境を説明し、続いて商務局、大興区、北京中日創新合作示範区の代表者がそれぞれ対日協力の現状や今後に向けた期待などを述べました。
 日本側からは主催機関を代表して当協会の堂ノ上武夫 専務理事が開幕挨拶、川嶋一郎 清華大学・野村総研中国研究中心理事・副主任が日本人の視点で北京現地の消費市場について講演しました。
 上記の挨拶や講演に加えて、最終セッションの質疑応答では蘇副主任が自ら参加者の質問に回答するなど、対面ならではの活発な交流が行われました。

当日に関する情報

概要

日時:2023年6月20日(火)14:00~17:00

会場:ホテルメトロポリタン エドモント本館3階「春琴(しゅんきん)」

  (東京都千代田区飯田橋三丁目10番8号)

主催:一般財団法人日中経済協会、北京市投資促進服務中心

後援:株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行

進行:逐次通訳

司会:張 麗 北京市投資促進服務中心項目促進処二級調研員

定員:50人強

費用:無料

次第

(14:15開会、16:45閉会)
司会者による来賓紹介
開幕挨拶:堂ノ上武夫 日中経済協会専務理事
蘇 宏 北京市投資促進服中心副主任
「北京市投資環境の紹介、「両区」建設の政策の解読、「両区」建設の成果の紹介 」
王 璇 北京市商務局消費促進処副処長
「北京が建設・育成する国際消費中心都市の成果と展望」
何 麗 大興区投資促進服務中心主任
「北京市大興区投資促進環境政策の紹介」
張 蕾 中日創新合作示範区副総経理
「中日モデル区の投資環境・政策・重点建設プロジェクト」
川嶋一郎 清華大学・野村総研中心理事・副主任(副センター長)
「事例分析に関する講演」
質疑応答

中国側の主な発言

蘇 宏 北京市投資促進服中心副主任

 北京市の優位性として、外国籍企業の拠点の多さ、金融機関の本社が中国で最多、科学技術分野の人材における強み、整備された社会インフラが主な優位性である。
 その中で、国際科創中心建設によるイノベーション分野の発展機会創出、“両区”推進の過程で打ち出す優遇政策、グローバルデジタル経済ベンチマーク都市の建設、良質なデジタルエコシステム構築、国際消費中心都市建設による国内の巨大市場支援、京津冀協同発展による産業配置の最適化が発展のチャンスとして挙げられる。
 私たちは外資系企業のために、市場化・法治化・国際化したビジネス環境のために関連サービスを充実させており、「放管服」を含む行政サービスや北京現地の人々の就業や生活の利便性を向上させている。
 
(質疑応答:イノベーション分野における上海・広州との比較)
そもそも都市ごとにイノベーションの定義が異なる。北京市は政治・文化・科学技術の中心地であり、イノベーションとは北京市が発展する”中心的な”位置づけである。これに対してその他の都市では「都市”建設”をイノベーションする」という文脈で使用されており、指しているものが異なると考えている。

王 璇 北京市商務局消費促進処副処長

 北京市は消費財の小売売上高が2012年に20兆元、2015年に30兆元、そして2019年に40兆元の大台に到達しており、2022年は44.1兆元で世界の都市で2番目である。また、数字の伸びだけでなく、Eコマース、モバイル決済などの新業態に加えて、グリーン消費、ヘルスケア消費、そしてスマート消費の分野が人気である。
 2021年7月、国務院は北京、上海、広州、天津、重慶の5都市を今後5~10年以内に世界で影響力・競争力・好感度のある国際消費中心都市として育成するプロジェクトを発表した。北京市は政治・文化・国際交流・科学技術イノベーションの中心地であり、ハイテク、大型プラットフォーム、商業施設の店舗数(多さ)、強力なブランドなどが強みである。今後はビジネス環境とハード面・ソフト面いずれも整備し、ビジネス・観光・文化・スポーツ分野の消費が連動して発展するモデルなどを目指す。

何 麗 大興区投資促進服務中心主任

 大興区の産業を「エリア」「産業」「空間」「政策」「サービス」の5つの側面から紹介したい。
 「エリア」:「三区一門戸」という位置づけが大興区の発展にとって重要であり、その中で両区建設により大興区は世界のハイエンド産業のハブとなる。このほか、交通アクセスや居住環境についても優位性がある。
 「産業」:「1+2+4」という産業体系を整備して取り組みを推進。“1”とは主軸としての「医療・ヘルスケア産業」、“2”は潜在力のある産業としての「次世代情報技術」「スマート装備」、“4”とは上記を支える産業としての「科学技術」「航空サービス」「金融サービス」「ビジネスサービス」を指す。
 「空間」:大興区には産機産業用の土地を広大に有しており、ソフト面・ハード面いずれも充実。
 「政策」:大興区には「自貿政策」「サービス業拡大開放政策」「綜保区政策」「中関村政策」「大興政策」を“五重”政策と位置付けて、国内外の企業がビジネスを展開するための可能性を提供している。
 「サービス」について、①プロジェクトごとに投資計画やマッチングを支援、②法人登記や産業発展に関わるサービスを支援、③資金や人材などのリソースを支援という発展の3ステップを整備。
 

張 蕾 中日創新合作示範区副総経理

 同区は中国発のイノベーションをテーマとする対外協力の示範区である。10㎢の規格面積の中にオフィス空間や工場の建屋など十分な用地を確保している。また、周辺には2万ムーの緑地空間がある。これらは日本企業と中国企業の協業により設計されたものである。
 広大な敷地の中で、デジタル経済、医薬ヘルスケア、先進スマート製造を3大主要産業クラスターと位置付けている。また、同区はRCEP、両区政策、中関村政策(市級)、大興区「1+N」政策など、様々な政策を網羅して関連業務を推進している。その一例として、外資系企業が特に高い関心を持つ知的財産保護について、同区には北京市高級人民法院の巡回法廷が設置されている。
同区には上記の優位性があることから、すでに多くの日系企業が現地に進出している。また、東京と香港に事務所を設立しており、引き続きより多くの日系企業にこのプラットフォームを利用して欲しい。
 
(質疑応答:駐日事務所の詳細について)
 先ほど紹介した通り東京に事務所を開設したが、さらなる協力拡大としてプロジェクトのオフショアセンターのためのパートナー探しを進めている。今年7月には大阪と福岡にも事務所を開設予定なので、引き続き対日協力を強化していきたい。

会場の様子

会場の様子(前方から撮影)
参加者の質問に自ら回答する蘇副主任

お問い合わせ

日中経済協会・業務部(担当:山田)
TEL:03-5545-3113
E-mail:taira.yamada[at]jc-web.or.jp ※[at]@に変換ください
 
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