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【参加報告】煙台市莱山区日本経済貿易交流会(8/9・東京)

2024/08/09 掲載

今般、煙台市莱山区から蒋海華区長一行が訪日し、8月9日、都内において25名規模の座談会「煙台市莱山区日本経済貿易交流会」が開催され、日中経済協会は、一般社団法人日本煙台総商会からの招請により、業務部が出席しました。

莱山区とは、昨年の萊山区委・羅建書記以来の交流となります。

莱山区は、ハイエンド機器、環境設備、海洋工程設備などの製造や研究開発において全国をリードし、山東省の原子力発電関連機器製造基地、現代的ペット製品製造基地の構築に取り組んでいるユニークな区として注目されています。

以下、主催者のご厚意により、蒋区長の基調講演概要や関連資料を提供いただきましたので掲示します。賛助会員各位におかれましては、煙台市莱山区の社会経済の現状と課題を理解する一助としていただければ幸いです。

■ 概要

1.日時:2024年8月9日(金) 14:00~16:00
2.場所:ホテルニューオータニ東京 LAPIS
3.主催:煙台市莱山区人民政府
  共催:煙台市莱山区商務局
  協力:一般社団法人日本煙台総商会
4.訪日メンバー:
 蒋海華 煙台市萊山区委副書記、区政府区長
 姜剣鋒 煙台市萊山区住房・城郷建設局党組書記
 張雅傑 煙台市萊山区商務局長、投資促進中心主任
 戴鵬偉 煙台市萊山区初家街道工委書記
 譚馮強 煙台市萊山経済開発区工委委員、招商部長
 李慶業 煙台市正大城市建設発展有限公司董事長
 柳 林 煙台市鳳凰文旅発展集団有限公司総経理
5.次第:
・煙台市莱山区プロモーションビデオ放映
・蒋海華区長開会挨拶
・張雅傑商務局長基調講演
・日本側代表発言
・自由交流(双方の経済貿易協力、文化交流、友好都市の紹介、産学融合の発展等を中心に)

■ 蒋海華区長 挨拶

  • 山川異域、風月同天(山河は異なろうとも風も月も同じ天の下にある)。中国と日本は一衣帯水の隣国。両国は同じ文化的起源を持ち、似たような民俗習慣を持ち、国民間の関係も緊密。今回の会議は、交流を深め、理解を深め、相互信頼を深め、友情を深め、発展のために協力し合い、未来について話し合うことが目的。
  • 煙台市は中国第1陣の14の沿海開放都市の一つで、「一帯一路」国家戦略における重点建設の港湾都市、アジア唯一の「国際ブドウ・ワイン都市」。我が市は4,378トンの黄金資源があり、中国国内総量の4分の1を占め、41の産業分野の内の37分野を擁する。萊山産ナマコ、アワビ、ワタリガニは新鮮で脂乗りが良く、煙台リンゴと萊陽ナシは国家地理的標識製品に選ばれた。これまで、100社以上のフォーチュン500企業が煙台市に投資し、事業を展開し、世界銀行から中国の投資環境における「金メダル都市」と評価された。
  • 1994年に設立された萊山区は、総面積285.4平方kmで、煙台市委、市政府の所在地である。煙台市で最も活力のある区として、煙台市の行政、文化、教育とスポーツの中心。2023年、萊山区はGRP514億元、地方財政収入50億1,000万元に達した。先後して全国科学技術先進区、全国自然資源節約集約模範県、国家級生態文明建設模範区の名誉称号を授与された。優れた立地条件、便利な交通。区内の高速鉄道・煙台南駅は、煙台港まで車で20分、煙台蓬萊国際空港まで車で40分、北京と上海まで飛行機で1時間半。素晴らしい自然資源に恵まれ、一年中快適。年間平均気温は13度で、山、海、島、湖、川、泉、森林が区内で有機的に融合しており、夏は涼しく湿気もなく、冬は乾燥しているが寒くない。知的資源が豊富で、多くの大学、学院や研究所が集積。煙台大学、山東商工学院、濱州医学院など5つの大学、10万人を超える大学生、国家知的財産権保護センター、中国科学院海岸帯研究所、国家級原子力研究開発センターなどの重点科学研究機関などが所在。強力な産業基盤は革新の原動力も強い。現在、一定規模以上の工業企業138社、省級「専精特新(専門性があり、精巧な技術力を持ち、独自性に優れ、革新力の高い)」企業96社、国家級専精特新「小巨人」企業14社、省級以上のユニコーン企業2社、ガゼル企業27社、製造業単一品類トップ企業18社が所在し、全区のハイテク産業の生産額は全産業の77.7%を占めている。
  • 今年は「第14次五カ年計画」の計画目標と任務を成し遂げるための重要な一年。煙台市が「兆元都市」に到達後の初年度。今年は、萊山区政30周年を迎え、支度を整え再び旅に立つ一年となる。煙台市委と市政府の強力な指導の下、萊山区は常に中心市街部としての責任を果たし、「北部の最適化、中央部の融合、南部の開拓」という発展構想に力を注ぎ、洗練・快適・活力満載の市街地、専精特新を図る産業パーク、居住と就業の調和のとれた美しい農村部を建設し、経済の効果的な質的向上と合理的な量的成長を促進していく。
  • 日本は美しい自然環境と、世界第3位の経済大国として発展した観光業、造船業、化学工業、機械製造業、原子力産業、鉄鋼業を併せ持つ魅力的な国。煙台市は中国で地理的に最も日本に近い都市の1つとして、双方が経済貿易交流は長い歴史と堅い基盤を持っている。トヨタ自動車、デンソー、三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事など日本のフォーチュン500企業15社、アツギタイツ、矢崎総業、荏原冷熱、ニチレイなど多くの多国籍企業が煙台市に投資し、事業を展開している。2023年、煙台市の日本に対する輸出入額は407.8億元に達した。萊山区には、和興産業、森洋新材料など16社の日系企業が根を下ろし、急速に発展しており、産業協力に強固な基礎を築いた。現在、萊山区のペットフード事業のリーディングカンパニーである中寵食品は、日本の印刷大手と包装や包材に関する提携について商談中である。
  • 日本の友人が煙台市萊山区を訪れ、技術革新、産業協力、人材交流を深め、双方の産業チェーンの深い融合を促進し、発展の成果を分かち合い、ビジネスチャンスを共有し、共に明るい未来を創ることを心から願い、莱山区への投資が実り多きものとなることを祈っている。

■ 張雅傑商務局長 基調講演

【莱山区の基本状況】
  • 莱山区は煙台市委、市政府の所在地で、全市の行政、科学教育の中心地。2023年、同区のGRPが500億元の大台に乗り、初めて全市の5%を上回る514億元に達し、地方財政収入が50億元を突破し、50億1,000万元に達した。
  • 莱山区は質の高い発展を重視し、経済成長をけん引する新旧原動力を転換する大型プロジェクトを全面的に実施し、主要産業チェーンの延長・補完を中心にチェーン化・クラスター化を進めている。2023年、営業収入1億元以上の企業8社、納税金額1,000万元以上の企業5社が新たに加わり、一定規模以上企業の工業付加価値の増加率が14.5%、営業利益率が18.5%で、全市で1位に。2024年上半期、全区のGRP総額は全市4位で6.4%増の251億5,000万元、外資の実際使用額は全市2位の1億2,134万米ドル、対外貿易輸出入額は増幅が全市3位で16.2%増の88億4,000万元、質の高い経済成長は著しい実績を収めた。

【莱山区の産業状況】
  • 莱山区は省エネ・環境の技術と設備、建築・新材料、サービスなどを中心とする省エネ・環境産業の育成を強化し、金正環保、傑瑞環保、源鑫潔環保、頓漢布什などの企業を基幹とする省エネ・環境産業クラスターを形成している。
  • 金正環保社は中国で唯一の油水分離技術を持つ、世界最大のディスク・チューブ式逆浸透膜モジュールの開発・製造企業。2017年に米ニューヨークのNASDAQに上場した。
  • 傑瑞環保社は油垢処理、汚泥削減、土壌修復の3つの中核事業に従事し、国内の業界をリードし、国際的に著名な環境統合ソリューションプロバイダになるべく注力中。
  • 源鑫潔環保社は主に各種の大気環境に関わる先進設備を生産し、一式の環境設備の年間生産量は3万セットに達する見込み。フル稼働後、同社はリーディングカンパニーとして100億元クラスの産業クラスターを共同で構築できる。
  • 頓漢布什の空調製品は中国の地下鉄プロジェクトの70%を受注しているほか、国家体育場(鳥の巣)、上海万博、紅沿河・寧徳・陽江など各原子力発電所の大型案件も受注してい。
  • 中集「ゼロ炭素」スマート製造産業パークは計画中面積が約1,500ムー、総投資額は約80億元。同パークは、研究開発、事務処理、関連施設の共有、設備製造を一体化したグリーンスマート製造の先行モデル区を構築している。海洋設備、船舶部品、制御システムなど中集来福士(CIMC Raffles)の関連する川上・川下企業や関連産業チェーンの誘致に重点を置き、業界をリードし、スマートエコシステムを持つ煙台における「ゼロ炭素」パークづくりに尽力している。
  • 生態環境保護産業パークは敷地面積が2716ムー、省級特色パークに選ばれ、すでに金正水環境産業パーク、訊飛環保、曁南大学環境保護産学研基地などの進出を誘致し、生態環境保護の中核的な関連企業の誘致に力を入れ、土地・大気・水のガバナンスに関わる全産業チェーンの成長を促進し、100億元クラスの生態環境保護の特色産業パークの構築を加速している。
  • ペット産業分野では、国内最大級のペットフッドメーカーである中寵集団を筆頭に、整ったペット業態、揃った施設、便利な物流サービスを目標とし、ペットフード、ペット用品、ペット医療などペット関連の全産業チェーンをカバーする現代化スマートペット製品の製造拠点を構築している。2025年までに、ペット産業チェーンの川上・川下企業が100社を超え、同産業の生産額は2020年の2倍となる50億元以上に達するよう努めている。
  • 中寵集団の主要な製品はイヌ用とネコ用の2種類に大別され、ペットスナック、ウェットフード、ドライフードなど同産業チェーンの全分野を網羅し、ペットフード分野の国際的な多様化ブランドであり、中国ペット業界のリーディングカンパニーでもある。2017年、ペット企業として初めて中国のメインボードに上場した。現在、製品は60以上の国と地域に販売し、自主的に1,000種類以上のペットフードを開発した。
  • ペット用品産業パークは敷地面積が658ムー、全国最大級のペットフードメーカーである中寵集団を筆頭に、ペットフード産業における優位性を強化し、ペット産業チェーンを補強し、規模拡大に着実に取り組み、ペット産業パークのクラスター化を加速している。
  • 莱山区は緑葉製薬と東方海洋精密医療を中心に、薬学教育、科学研究、生産、物流、販売という完全な産業チェーンを形成している。23.5km2の面積を持つ漢方医薬・精密医療産業パークを計画・建設し、煙台市国家級生命科学イノベーションモデル区の「一区七園」全体計画に組み込み、莱山区の全産業チェーン大健康産業クラスターに関する戦略的展開を加速させるための基盤を有している。
  • 緑葉製薬は研究開発を基盤とした専門的な製薬メーカー。中国唯一の「長時間作用型・標的型製剤国家重点実験室」を有し、中枢神経系、抗腫瘍、心血管、消化・代謝などの最大かつ急成長する治療領域をカバーする30以上の製品を市場に送り出した。2018年には「中国で最も競争力のある医薬品上場企業トップ20」に選出された。
  • 東方海洋精密医療産業パークは総投資額20億元、敷地面積354ムー、体外診断医療機器、遺伝子精密診断、質量分析、第三者検査室の4大産業パークを建設し、山東省で初めて建設された精密医療分野の科学技術型パークである。現在、中国最大の精密医療科学技術パークとして、最先端技術の機能を備え、設計規模も最大となっている。
  • 同時に、区内には各級・各種類の350以上の医療・衛生機関があり、煙台毓璜頂病院莱山院区、煙台山病院莱山新院、山東文登整体煙台病院の3つの三級病院が集まっており、医療・衛生サービス体系も充実している。
  • 莱山区は家庭・地域コミュニティが連携し、医療・健康を組み合わせた養老サービスの改善を続け、高齢者の幸福感、安心感を絶えず向上させている。省民政庁から2022年度全省県域養老サービス体系革新モデル区として認定され、この栄誉を受けた市内初の区となっている。莱山区には9つの養老施設、5つの医療介護複合養老施設、養老施設の医療サービスカバー率が100%に達し、環境の良い養老産業を形成している。
  • 煙台市正大城発養老服務有限公司の前身は莱山区党委と区政府が投資・建設した煙台市莱山区社会福祉センターである。現在では総合的な機能と施設を備えた養老サービス機関となっている。会社の敷地面積は180ムー、設置されたベッドは1,100床。山東省民政庁による「星級老人ホーム」、2021年第1回健康介護評価リストで山東省優秀養老施設の1位、山東省5つ星級養老サービス施設などの栄誉称号を獲得。600万元以上の資金を投じ、迎春佳苑コミュニティと後七夼コミュニティのスマート在宅養老サービスセンターを建設し、革新的に「3510」スマート養老モデルを打ち出し、「高品質コミュニティ」づくりをきっかけに、高齢者にリハビリや物理治療、健康教育、疾病予防と健康管理などのサービスを提供している。現在、上述2施設は順調に運営されており、利用者も着実に増え、地場コミュニティや近隣に集客効果を形成し、市場でも社会でも好評である。
  • 煙台莱山秀林老人福祉サービスセンターは5つ星級医療養生複合養老施設。総面積50ムー、病床は728床。一級総合病院、リハビリ館、要介護高齢者ケアエリア、長期介護保険エリア、ホスピス、コミュニティ在宅医療介護センター、医療介護訓練センターなどを備え、総合的かつ統合的な医療介護サービスを提供している。
  • 莱山区は引き続きビジネス環境を改善し、企業の発展に貢献することに注力していく。
  • 部門間の連携・連動を強化し、手続きを簡略化する「一窓受理(ワンストップサービス)」、すべての手続きのオンライン処理、並列処理などの体制を全面的に実施し、「掌上弁(携帯電話で事項を処理する)」政務サービスを最大限に活用するため、企業により包括的、便利で効率的なサービスを提供していく。
  • 日本の企業家の皆様が莱山区を訪問し、起業することを心より歓迎したい。

資料ダウンロード

上記の商務局スライドのPDF一括ダウンロードはこちら
会場で配布された4つ折りリーフレット

本件お問い合わせ

日中経済協会業務部(担当:澤津)
TEL: 03-5545-3113
E-mail: naoya.sawazu[at]jc-web.or.jp ※[at]は@に変換ください。
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