本文へ移動
一般財団法人日中経済協会
〒106-0032
東京都港区六本木1-8-7
MFPR六本木麻布台ビル6階
TEL:03-5545-3111(代表)
FAX:03-5545-3117

【出張報告】「春の約束・桜観賞」経済貿易商談会(3/20-21・武漢)

2025年20~21日、湖北省人民政府の主催による「『春の約束・桜観賞』経済貿易商談会(“相约春天赏樱花” 经贸洽谈暨世界500强对话湖北活动)」が武漢市で開催され、当協会は省商務庁からの招きにより、北京事務所が参加しました。

本イベントは、習近平国家主席の呼びかけにより21年より開始、今回で5回目の開催となります。参加者数は国内外より約600名。Fortuneグローバル500をはじめとする企業との対話会、「一帯一路」や「低炭素・グリーン」に関する分科会も実施されたほか、隣接する孝感市への地域視察も実施されました。

以下に結果概要や所感を掲示いたします。

◆ 本件お問い合わせ:
 日中経済協会北京事務所(担当:宮奥・邵)
 TEL: +86-10-6513-9880

開幕式

王忠林 湖北省委書記

 「春分の日」に世界各国から来賓を招くことが出来たことに感謝したい。24年11月には習主席が6度目の視察のため湖北省を訪れ、中部崛起の重要戦略拠点としての建設を指示した。その使命を果たすべく、先進イノベーション新高地の建設、人と自然が共生する先行生態モデル区の建設も推進している。今後も市場化、法治化、国際化の下、一流のビジネス環境の構築推進により、更なる発展を目指していく。

唐文弘 商務部部長助理

 習近平主席は、開放が中国式現代化の旗幟鮮明であるとし消費の活性化と、投資効果を高めることを強調している。中国政府の改革開放と消費活性化の実践は、世界に確実性をもたらし、内外企業には安定した道筋と発展のチャンスを提供する。消費と投資の融合をさらに促進するために中国は12種類の家電(2,600万台)の買い替え、デジタル製品の購入補助金など一連の措置を打ち出した。さらには外資誘致、産業サプライチェーンの国際協力を深化させ、対外開放を推進する一連の政策も発表した。
 また市場アクセスも緩和した。24年には製造業への外国投資のアクセス制限を全面的に撤廃、サービス業の開放も進展を遂げつつある。今後もインターネット、文化などの分野において秩序ある開放を推進し、通信、医療、教育などの分野の開放モデルへも拡大する予定。加えてビジネス環境の最適化も推進している。先ごろ発表された25年の外国投資安定化行動計画などの政策は、公平な競争環境の構築、外資企業の内国民待遇を保証するもの。また改訂中の外商投資奨励産業目録は200項目以上の追加が見込まれ、そのうち湖北省の自動車、新エネルギーなどの西部優位産業目録は120項目以上を新規追加される予定。
 またサービス保障も強化する。商務部は毎月外資企業支援会議を開催し、企業の問題解決のほか、全国で海外企業へ向けたサービス活動を展開している。湖北省は産業、科学教育、立地条件の優位性が顕著であり、現代化産業体系の構築加速とともに、内外開放の向上を目指しており、今後も企業に広大な発展空間を提供する。引き続き中国への投資、湖北への投資を心から歓迎する。

龍小紅 湖北省商務庁長

 内陸型開放による発展を目指す湖北省は対外貿易総額が全国3位の規模を誇る。「Position(北京-武漢-広州などの国内大動脈、国内外94の航空路線、世界各国117港を結ぶ)」、「Industry(世界500強企業およびHuaweiやXiaomi、九州通医薬など国内の巨大企業の拠点が集積しNEVなど新産業の発展が進む)」、「Vitality(4時間以内に国内90%の経済商圏にアクセスも可能)」、「Open(中国-北欧経済パートナーシップ、325項目の自貿区)」、「Trust(投資・生活しやすさなど長年の関係性に基づく信頼感)」という「PIVOT」=支点、国際協力における新たな枢軸としての役割が期待される。

盛閲春 武漢市長

 武漢には武漢大学、華中科技大学、武漢理工大学など92の高等院校があるほか、研究機関も集積している。「武漢イノベーション」と呼ばれる、テクノロジーによる産業発展を支援・奨励している。また「快貨物流圏」として、国内ではリードタイムを1日、周辺国家には2日、世界の主要都市には3日以内でのアクセスを構想しているところ。
 またカーボンニュートラル達成に向け炭素取引所を設立し、関連企業・機関の集積を目指すほか、黄鶴楼や東湖公園といった観光資源を通じた関連産業の育成、武漢マラソンや武漢オープン(テニスWTAツアー大会の一つ)といったスポーツイベントの開催などにより、多方面で市の活性化を図っている。


この他に70後で次世代ホープとされる諸葛宇傑副書記が出席していたほか、マウリツィオ ラエスロ・アスティ市長(イタリアピエモンテ州)、中国美国商会会長、フランス・液化空気集団亜太区副総裁などが来賓挨拶。中国企業も、華潤集団、中国交通建設集団、小鵬汽車、TCL科技集団、泰康保険集団などのトップ経営者が発言。日系も、当協会のほか、JETRO、商社、銀行、メーカー、物流など幅広い業種の関係者が多数出席した。

関連イベント

中国(湖北)-“一帯一路”国家(地区)プロジェクト協力マッチング会

 湖北省委外事工作委員会、ベラルーシ駐重慶総領事、タイ駐上海領事、トルコ共和国総統府投資局国家顧問などが出席。各国が「一帯一路」を通じた中国との協力プロジェクトの現状と、それぞれの産業誘致策、マーケット・労働力の魅力などをアピール。関連プロジェクトの調印式も行われたその他にUAEや香港、スペインの銀行グループ(BBVA)関係者などが出席。

◆ 主な発言
【ベラルーシ】
「Invest in BELARUS」と題して講演。EU・CISなどともアクセス可能な地理的条件、水や木材などの豊富な資源をアピール。

【タイ】ASEAN全体で6.8億人、CLMVT(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム・タイの5ヵ国)でも3億人規模の消費主体を誇る。低炭素・グリーン、積極的な投資受入(中国はシンガポールに次ぐ第2位)、企業所得税の免除、長期滞在ビザの発給など政策措置を紹介。

【トルコ】アジア・EU・中東・北アフリカを跨ぐ地理的条件、ロンドンにも10日以内でアクセスできる物流の優位性、若年層が多い人口ピラミッド、2052年には世界5位の規模に達する経済発展の状況、BYDやHuawei、Haierといった製造業だけでなく中国銀行など幅広い産業誘致に成功していることを流暢な中国語で紹介。

ダブルカーボン(※)産業招商プロモーション大会

 会場となった「中碳登ビル」は全国初の炭素取引、炭素金融産業の集積に特化したビルとして22年に設立。武昌の金融エリア中心部に位置し、「ビル全体が産業チェーン」をスローガンに400社近くの企業・関連機構が入居しているとの担当者からの説明。本会には武漢ダブルカーボン産業研究院院長ら企業からはシーメンスなどが出席。

 グリーン金融、デジタル化によるカーボンニュートラルの推進などについて各登壇者が講演を行ったほか、グリーン低炭素市場建設産業連盟の新規加盟セレモニーなどが行われた。なおセレモニーでも登壇した新規加盟会社の一つ、天合光能は太陽光パネルメーカーでソーラーパネルの裏表にパネルを搭載、水上設置するというユニークな商品を製造している。

(※)ダブルカーボン=2020年に中国が宣言した脱炭素政策で、2030年までにCO2排出のピークアウト、2060年までにカーボンニュートラルの達成を目指す。

孝感市招商プロモーション活動

 「首衝城華中国際食品産業新城」、「湖北孝感協豊高科産業園」、「湖北孝感日商産業園」を視察。
 日商産業園は17年に設立、12.5km2の敷地面積で日系企業35社が進出。自動車部品メーカーが中心でシークス、TDK、矢崎、小糸などが拠点を置く。社員寮や食堂、図書館なども併設され、ナショナルスタッフ定着のために職業訓練校と提携しての運営も行っている。視察後には孝感市主催の歓迎レセプションが行われた。

 孝感市では、食品加工産業も盛んとのことで、物流関係者も含めて外資の参加者も多数みられた。河南省などで生産された野菜・果物や水産物を持ってきて冷凍保存や「預製菜」にする産業園も2年前につくられた模様で、スマートコールドチェーン・スマート物流による貿易や越境ECの拠点にするとの説明を受けた。

出張者所感

  • 湖北省の24年GDP成長率は前年比5.8%増、6兆元を超え全国7位の規模。対外貿易総額は同9.6%増、7,000億を超えて全国の5%に達した。物流の要衝でもある湖北省では長江水上輸送に加えて、顎州花湖空港の開港により、更なる対外開放とそれに牽引されての発展が期待される。従来の製造業や物流業の一大拠点という優位性に加え、大学・研究機関集積地としての利点を活かしイノベーションを推進。グローバルにおける地位向上も見据えた戦略を進めている。
  • 習主席の肝いりでもある本イベントは観光の活性化にも繋がっているほか、Fortuneグローバル500に名を連ねる企業へのPRの場としても期待されており、湖北省の一大イベントとなっている。
  • 「一帯一路」分科会では、沿線各国における中国の経済的影響力がアピールされた。中国からの投資への期待は幅広い産業で高まっている様子(免税政策や労働力コストなど様々な側面で各国が強調していたことは印象的)。「低炭素・グリーン」分科会も上海に続く炭素取引市場の建設など、省全体でプレイアップしていた。
  • 本イベントを通じて、多数の参加者より名刺交換を求められるなど、日本に対する関心は引き続き高いものが感じられ、こうしたプラットフォームを活用し、関係づくりを図る姿勢を持つことも一案ではないかと考えられる。

参加案内 ※終了しました

湖北省商務庁より、3月20日(木)~21日(金)にかけて武漢市にて開催される「『春の約束・桜観賞』経済貿易商談会及び世界500強企業との湖北対話活動」の参加案内を 昨年に引き続き お送りいただきましたので共有申し上げます。

賛助会員企業の皆様におかれましては、もしご関心いただけるようであればおつなぎいたしますのでご一報ください。

招待状の仮訳

各位:

習近平総書記の湖北視察における重要講話の精神を着実に実践し、省委員会第12期第9回全体会議の方針を全面的に実施し、「投資中国・湖北優選」のブランドを向上させるため、湖北省人民政府は2025年3月19日から21日にかけて、湖北省武漢市において2025年「『春の約束・桜観賞』経済貿易商談会及び世界500強企業との湖北対話活動」を開催する運びとなりました。これにより、内陸部の開放的な拠点づくりを加速し、高水準の対外開放を通じて中国式現代化における湖北の新章を築いていく所存です。

今回のイベントは「桜が結ぶ荊楚での開放とWin-Win」をテーマに、国家指導者、国家部委指導者、在中国外国公館代表、国内外の政府機関代表、国際経済組織代表、世界500強企業及び著名な多国籍企業・中央企業の幹部、香港・マカオ・台湾地域の著名企業責任者、国内外の商工団体や金融機関の責任者、著名な楚商(湖北出身実業家)や優秀な同窓生、省内の著名企業代表などをお招きし、一連の経済貿易商談活動にご出席いただく予定です。湖北発展の新たな機会を共有し、経済貿易協力を推進し、湖北の外向型経済を新たな段階へと押し上げることを目指してゆきます。

つきましては、是非、荊楚の地へお越しいただき、満開の桜をご覧になりながら、改革開放の盛宴を共に享受し、協力とWin-Winの未来を共に創造していただきたく、ご案内申し上げます。

2025年1月
湖北省人民政府

ファイルダウンロード

上記画像6枚のPDF版です。
上記画像のMS Word版です。

本件お問い合わせ

上記の参加申込書に記載の主催者(事務局)宛てに直接ご連絡いただければ幸いですが、日中経済協会にもご遠慮なくお問い合わせください。

日中経済協会業務部(担当:澤津)
 TEL: 03-5545-3113
 naoya.sawazu[at]jc-web.or.jp ※[at]は@に変換ください。
TOPへ戻る