【表敬報告】海南国際経済発展局一行の来会
海南自由貿易港政策説明会(12/6・東京、12/8・大阪)の参加報告は こちら です。 https://www.jc-web.or.jp/pages/1062/ |
はじめに:海南国際経済発展局・宮起君副局長一行7名の来会
2022年11月29日、海南国際経済発展局・宮起君副局長一行7名が来会し、「海南自由貿易港」の建設状況についての紹介を受けました。当協会からは、高見澤理事以下で応対しました。
日中経済協会と海南省の縁は深く、1987年秋、日中経済協会訪中代表団に対して、当時の谷牧国務委員から海南島開発について協力要請があり、協会会員企業40社の協力を得て、「海南島開発協力委員会」を設置しました。以後、協力委員会の現地視察団を4回にわたり派遣し、訪日団受入など交流を重ねてまいりました。
1996年春には、朱鎔基副総理から改めて海南省洋浦地区の開発について協力要請があり、当協会は専門家による調査を実施し、同年の日中経済協会訪中代表団派遣の際に、海南省における新たな協力可能分野と関連プロジェクトについて、朱副総理に対し報告を行いました。
近年では、2020年6月に「海南自由貿易港建設マスタープラン」が公表されたことを受けて、海南国際経済発展局が主催した「海南自由貿易港オンライン説明会」にも、北京の中国機電商会からの招請により協力しました。
2020年11月には中国国際貿易促進委員会の招きで、当協会・川合北京事務所長が、在中国の米国、英国、EU等各商会の責任者とともに海口や三亜を訪れ、当時の劉賜貴書記、沈暁明省長と交流し、併せて海南自由貿易港の現場を視察しました。
宮起君副局長からの紹介内容
●海南省では、2018年から「海南自由貿易港」を建設。自由化施策も矢継ぎ早に発表されているが、最重要は「マスタープラン」と「自由貿易港法」。これらに依拠して貿易面での保障を行うことができる。
●海南自貿港はグローバル企業による投資先として注目を集め、ゼロ関税、低税率、税制簡素化などの優遇政策を実施。将来的には海南省内でほぼすべての貨物が関税フリーで海外に出せるようになる。個人所得税、法人税も低税率かつ税制も簡略化。
●企業にとっての商機について、海南では観光、現代サービス業、ハイテク産業、農業の4分野を振興。一方、日本企業にも、省エネ・環境、医療・リハビリ・養老、ハイテク、金融、物流などに優位性があり、海南省の奨励セクターと合致。
●海南自貿港は、日本企業との連携を重視。理由は地理的距離の近さ、中日が共にRCEPのメンバーであること。連携強化に向け、今年「日本企業サービスセンター」を設置。日本企業が集中する海口市に「日本ビル」も建設中。「中国国際消費財博覧会(消費博)」というプラットフォームもある。これら3つをテコに、日本との連携を強化したい。
●この目的で、今般海南省代表団を組織して訪日。コロナ後では初の海外での投資誘致活動として批准されたもの。今回日本で3回の自由貿易港の説明会を行う(東京・大阪・福岡)。日本企業に面対面で自貿港政策や消費博を紹介する計画。
●海南国際経済発展局は、2019年海南省政府の支持で設立。企業にサービスを提供する役務がある点では日中経済協会とも相似。業務内容は、投資促進、政策説明会実施、消費博の実施等。グローバル企業の投資活動にワンストップサービスを提供。
自由意見交換
一言でいうと、海南省は市場、政策、環境(自然環境・ビジネス環境)に強み。
(1) 海南省(島)全体が自貿区/自貿港という規模の大きさや特別性。
- 中国21の自貿区は、シンガポール(1,000m2)や香港(700m2)よりも大きい。
- 他の自貿区と異なり立法権がある。
- 自貿区、自貿港、経済特区の3大プラットフォーム。
- 自貿区、自貿港、経済特区の3大プラットフォーム。
(2) 税制面の優遇(免税関連)
- 既に多くの「ゼロ関税」を実施。生産設備、自動車、船舶、原材料などの品目が対象。
- 輸入した原材料で加工した製品のうち、製造過程の30%が海南省内であれば、中国国内に「輸出」する際に免税扱いとなる。
- 海南省内に免税店が12店あり、今後世界最大の8万m2規模の店舗を建設予定。
- これらの免税店では、高級時計、高級バッグ、化粧品など高価格帯の商品が人気。
- 既に多くの「ゼロ関税」を実施。生産設備、自動車、船舶、原材料などの品目が対象。
- 輸入した原材料で加工した製品のうち、製造過程の30%が海南省内であれば、中国国内に「輸出」する際に免税扱いとなる。
- 海南省内に免税店が12店あり、今後世界最大の8万m2規模の店舗を建設予定。
- これらの免税店では、高級時計、高級バッグ、化粧品など高価格帯の商品が人気。
(3) 海南省内の生態環境
- 省内消費は今後増加が見込まれる。海南省は「渡り鳥高齢者」(しかも富裕層)が避寒地として訪れるため、観光要素に医療・ヘルスケア・養老等の産業を組み合わせてより消費してもらう構想。
- 省エネ・環境にも配慮。2030年までに燃料車を廃止。現在のEV車の普及率は40%。
- ボアオ医療特区の存在とも相まって、医療機器や薬品の取り扱いが盛ん。
- 省内消費は今後増加が見込まれる。海南省は「渡り鳥高齢者」(しかも富裕層)が避寒地として訪れるため、観光要素に医療・ヘルスケア・養老等の産業を組み合わせてより消費してもらう構想。
- 省エネ・環境にも配慮。2030年までに燃料車を廃止。現在のEV車の普及率は40%。
- ボアオ医療特区の存在とも相まって、医療機器や薬品の取り扱いが盛ん。
本件お問い合わせ先
日中経済協会業務部(担当:澤津・山田)
TEL: 03-5545-3113